腐ってる方がマシだったわ

切りたくても切れない縁に、ぼくは環境が変わる度に悩まされる。

小、中は勿論、高校と来て、そろそろ他人を疑うことを覚えれば良いのに、どうしてもそこにいる人を信じたがる。毎度、それで痛い目を見るのに、今度こそは、と。

全部が怪しく見えるようになれば、完全に堕ちた人間に分別される。何でもかんでも飲み込んでしまえば、良いカモになる。上手く間に落ち着けないものか。

一年もすれば、早計でもなんでもない。確証だ。この期間、急いだ判断をしなかった自分はまだ偉い。直感で切り捨てるのは、まだそんな嫌われる度胸はないし。

しかし、自分の最も求める場所に、最高の人々が居てくれるのは幸運だった。何度も言うけど、定期演奏会のメンバーのこと。彼らとステージに立てて良かった。前のバンドメンバーと外でライブをした時より、ダンスで数々の会場を周った時より、合唱をしていた時はNHKのホールで歌った時より楽しかった。スポットライトが今まで浴びたものより、眩しく見えた。加えて、何故か高校以降は必ず先輩に恵まれるようになった。大学でも例外なし。沢山相手をしてもらったし、相応かはともかく、沢山褒めてもらえた。沢山助けてもらった。他人付き合いが下手なぼくをこうやって求めてもらえるのは、本当にありがたい。ぼくなりに恩を返さねば。

こうして見ると本当は、切れない縁なんか日常のささやかな問題でしかないのだけれど、しかし、下らない人間一人のために本当の幸せが阻害されていると考えると、やっぱりそんなところには留めて置けない。

ぼくのできる精一杯は、そんな人間とは距離を置くこと。多分もう、自分の行動に自分から組み込むことは無い。そんな自殺行為に近しいことに手を染めれば、それこそ病気になりかねない。不可抗力で今月会わないといけないから、出来るだけそこにいる別の人に付こうと思う。

できればこちらが割を食う状況にはしたくないけれど、致し方なし。良い案がない。

なんせ頭が悪いもので。