知らぬ間の落差

Netflixで「ポーラー 狙われた暗殺者」を鑑賞。言わずもがなマッツ目当て。

作品として特段目新しい面白さは無かったのだけれど、テンポやコメディ要素の入れ方が個人的にはちょうど良く、それらがグロ、ゴア表現やハードボイルドな雰囲気とのバランスもかなり取れていると感じた。

 そして視聴側が知らぬ間にシリアスに引き込まれていることを、鑑賞後に気付いた。別に緩慢にネタを少しずつ引っこ抜いていたわけでもないのだが、はっきりここからシリアスと言える部分も明確にできない。アース・ウィンド&ファイアのSeptemberと敵役の暗殺手法のコミカルめな演出に始まったのに、最後はヒロインの隣でタバコを吸うマッツの哀愁と、余韻に浸る。どちらも印象にあるのだが、どちらも同じ映画だとは思えない。しかし気付くのは鑑賞後。ちょっぴり不思議な気持ち。

 ジョン・ウィックのような白熱感も、レオンのようなドラマティック感も無かったけれど、良い映画を見た気にはなった。自然と手が伸びる、ナッツのようなイメージ。

 ぼくとしてはマッツが猛吹雪の中、全裸で立っているのがシュールで仕方がなかった。あれだけでも見る価値十分。