無知=馬鹿になる時

広告デザインの授業で、他の人のラフ画を見る機会があった。

うちの大学は語学から音楽まで幅広くやっている。中でも韓国語や韓国文化の専攻は今のご時世では人気のようで、この授業においても韓国関連を推して広告を描く生徒が多かった。

ぼくは絵を描くのがめっきり駄目な人間だから、自分でも引くくらいに幼稚チックなデザインしか出来なかったけれど、友人や他の生徒はなんとも上手く描くのだろうか。

自分の底が見えるほどに持ち合わせない才能を再認識し、苦笑いしながら各々のラフ画が映し出されるディスプレイを眺めていたのだけれど、一つ、とんでもないものを見つけた。

キャッチコピーは「韓国に染まりませんか?」。デザインは日本国旗が韓国国旗に変わりつつあるというもの。

いやいやいやいや、駄目だろ。センシティブすぎるだろ。馬鹿か。

勿論政治的意図はないのはわかる。ただ万人が理解しているとは限らないし、というかどう考えても炎上必須だ。ちなみにその人は舞妓にチマチョゴリを着せるというデザインも考えていた。大馬鹿野郎。

こういうものを見ると、つくづく無知というものが怖くなる。いや、流石に日韓関係の危うさくらいは知っておいて欲しいけれど。韓国好きなら尚更。ただ、炎上とかする人って"知らないこと"を知らないから、悪意なくそんなことになる場合もあるんだろう。実際、どこかのVtuber差別用語差別用語と知らず使っていて事務所に怒られたらしいし。

ぼくは正直、人より知らないことが多いと思う。何せ知りたいことしか知ろうとしなかったし、人より趣味思考が偏り気味だし。だから一々自分の行動を振り返ってみたりするんだけれど、タブーはどこに潜んでいるかわからない。危なっかしい人生になってしまったから、人一倍注意はしているつもり。

無知は馬鹿に直結しないけれど、無知と知らずに無知を晒してしまえばそれは馬鹿だ。馬鹿をやるってことはそういうことだと思う。

この歳でもう馬鹿はしたくないな。おっさん臭いことを考える、今年廿治の大学生。