写真をお手元に

ライブの写真が、Googleフォトに共有されていた。バンドを掛け持った先輩達がずらり。何度も同じ顔が流れる中、ぽつりとぼくらのバンドの演奏風景は佇んでいた。枚数は、それなり。

すごく良い顔だったと思う。ぼくも含めた皆んなが、途轍もなく輝いて見えた。ナルシスト的な感想でなくて、多分、誰が見ても良い顔だと口を揃えて言うと思う。

自分がこんな顔で歌っているなんて知らなかった。一昨日まで自分の顔が嫌いだったから写真を見返す事はなかったし、今までの人生で楽しかったライブは、ダンスをやっていた時も含めて数少なかった。充実している証拠が、こうもはっきりとした形で見せつけられるのは、正直かなり驚いた。ぼくにとって音楽は、どうやら単なる趣味に留まらないらしい。映画を見ている時にあんな顔をした覚えはないし、本を読んでいる時はそこそこ険しい顔をしているらしいし。

あの時間、ぼくらは誰よりも格好良かった。誰よりも満ち足りていた。

ぼくが一番になれるのは、きっとどこでもできる。場所はどこだって良い。歌を歌う時、ぼくは誰よりも輝いている。19年生きて、初めて知ったこと。